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​Making Materials

 森に囲まれ暮らすタケナカは冬のストーブのための薪を割っていた。”玉切り”された大量の木をひとつひとつ手斧で割っていくのであるが、時々、酷くクセの強い木に当たることがある。何度も何度も斧を入れ、それでもそれは割れずに残る。

 木の形は育った条件に大きく影響される。風雪に耐えて育つ中、枝が折れたり、曲がりくねったり。樹種にもよるが、素直にまっすぐ育つのは自然の中では稀である。厳しい条件で育った木こそ、硬く美しい木目を持っている。

 クセが強い木というのは、特別に個性的で魅力的なのである。


「自然の木は曲がっていて当たり前なのに、どうして木材の市場にはそういう木が無いのだろう?」


 表皮も枝も、曲がりも腐れもそのままに、タケナカは生き生きと素材を切り出す。

「私が死んでも我々は絶えない」

 木の声を聴いたことがあると、遠くを見つめるようにタケナカが語る。

 確かに彼らは、同じこの星に暮らす同じ生き物。

 享受するものの命を今一度考えて欲しい。


 そんな彼のメッセージが、このマテリアル作りに秘められている。

Making Materials: Project
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Making Materials: ポートフォリオ
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